今回は症例報告をさせていただきます。根管治療でお悩みの方の参考の一助になれば幸いです。
基礎データ:30代、男性、一般歯科からのご紹介で来院。
来院経緯:特に痛みはなかったがむし歯が深く根管治療をしたところ痛みが出現。その後、根管治療を複数回続けるも症状の改善がみられなく、かつ根管が見つからないという状況でペンエンド認定医の在籍するオレンジ歯科に紹介されて来院。
診断:深いう蝕、以前の治療時での無菌的操作の不足(ラバーダム不使用)、根管の石灰化による狭窄、根管内の異物の存在、などによる難治化が疑われた。
診断名:既根管治療歯、急性根尖性歯周炎
再治療への問い
1、根管治療の質を向上できるか?:Yes
2、見逃された根管がありそうか?:Yes
3、修復物は漏洩しているか?:Yes(修復されていない)
4、根管系へのアクセスは可能か?:I couldn’t say(やってみないとわからない)
5、除去は安全にできるか?:May be
6、自分のスキルと経験値の範囲内か?:Yes
7、器具・環境は整っているか?:Yes
上記について、術前、術中、術後の注意事項、その他合併症、偶発症、もし根管治療しても治らなかった場合のその後選択についても説明し、同意を得たので根管治療を施行することを決定した。
治療1回目:通報通り根管治療を進め、根管の中の異物の除去にも成功し適切な根管形成と根管洗浄を行えた。
治療2回目:ずっと痛かった症状は1回目の治療が終わって2日後から違和感があるか、気にしなければないか程度に軽減したとのこと。根管形成の過不足のないことを確認し、根管充填を施行。
術後経過観察時:日常の生活には全く問題がないと紹介していただいた歯科医院からの報告を受け術者としても安心している。
根管治療担当者:湯本真幸