今回の認定医紹介は、PESCJ10期の山田将平先生となります。
さっそくですが先生の略歴をお願い致します。
2008年 日本大学松戸歯学部卒業
都内の大型医療法人勤務
2018年 山田歯科にて勤務
2019年 ペンエンドスタディクラブインジャパン修了
2020年 ペンエンドスタディクラブインジャパン認定医
ありがとうございます。
勤務地はどちらになりますでしょうか。
岡山県の倉敷市 山田整形外科歯科に2018年から勤務してます。
山田歯科に勤務ということは、ご両親もしくは親戚の歯科医院に勤務という事でしょうか。
はい、両親が24年前から開業しております。
元々両親それぞれが倉敷市内の大きい病院に勤めていました。
父が整形外科医、母が歯科医です。
開業するにあたってずっと勤めていた倉敷市に決めたそうです。
親孝行ですね!親の元を飛び出した私には耳が痛いです。
私、倉敷市には行ったことがありません。きびだんごのイメージが強い岡山県ですが、倉敷市の特徴や特産品などありますでしょうか。
倉敷駅の近くには美観地区があり、
白壁の蔵屋敷、なまこ壁、柳並木の風景、情緒豊かなレトロな町並みが、世界中の人を魅了し続けています。「倉敷デニム」や「大原美術館」「アイビースクエア」などの文化施設も多く集まり観光客がとても多いです。素敵な場所です。
そんなにたくさん名所があるのですね。デニムから美術館まで幅広く楽しめそうで、私は、特になまこの壁が気になりすぎます。
後ほど調べてみたいと思います。
さて、そろそろ歯内療法のお話に移りたいと思います。なぜ、歯内療法を重点的に勉強しようと思ったのですか。
一般GPの時、歯内療法が本当に苦手なイメージがありました。
自分が根管治療を治療してセラミックを被せた歯に術後病変ができ、患者さんにご迷惑をおかけしたことがあります。
その後、根管治療専門医の先生と知り合うきっかけがあり、治療の成功率の高さや歯内療法外科など、大学時代では学ばない事を数多く教えていただきました。
その頃から、苦手な歯内療法から学んでみたい歯内療法に代わっていった思い出があります。
ご自身の臨床経験の上で必要性を感じたわけですね。
GP時代に、根管治療を依頼しておりました根管治療専門医がPENN ENDO1期の梅田先生でした。とても大変なコースとは聞いておりましたが、歯内療法を学ぶにはここしかないと思いました。また、中国地方にはペンエンドの認定医がいないので自分でやるしかないと決心してコースを受講しました。とても大変なコースでしたが貴重な体験や数多くのことを学ばせていただきました。
専門医の先生の治療内容に完全に惚れてしまいましたね!
では、実際にPENN ENDOにてびっちり根管治療を学んだと思いますが、その際特に重要であり意識していることなどございますか。
しっかりと診査を行い、今の状態がどのようになってるのか患者さん目線でわかる説明をしております。その上で考えられる治療法を説明し、患者さんが納得できる無菌的根管治療を行なっております。
診査診断、意思決定。まさにとても重要な部分ですね。患者さんにしっかりと理解していただくために、噛み砕いた説明を行うことはとても大切だと私も思います。
そのように、日々根管治療を行っていく上で、やりがいを感じる時はありますか。
実際根の病気で困っている患者さんは多いと思います。抜歯しかない、ずっと根管治療してるが治らないなど。
そう言った患者さんの歯を治療させてもらって、よくなった時に『すごいなぁ、ありがとう』と言っていただける時はとても嬉しいです。
患者さんからの御礼の言葉はとても励みになりますよね!!では、逆に難しいと感じる時はどのような時でしょうか。
根管治療がうまくいったからといって、その歯自身がずっと使えるかどうかはわかりません。
歯周病になっている歯や破折リスクの高い歯の根管治療は、しっかりと患者さんとお話しをした上で治療していくかどうか相談させていただいてます。
これもとても難しい問題ですね。また、紹介元の先生と密に連帯を取る必要もありますね。
今後の展望などありましたら教えて下さい。
僕の住んでる中国四国地方は、関東や関西をはじめ他地域と比べると根管治療を専門でされている先生が少ないです。
少しずつでも患者さんや先生方が歯内療法の大切さを知っていけるよう治療やペンエンドを通じて広めていけたらと思っております。
地域医療の発展に貢献される!素晴らしいですね。
先生の印象に強く残っている症例などございましたらお願いします。
ペンエンドの歯内療法は、診査診断をまずしっかり行います。原因歯だけではなく両隣在歯など4~5本診査します。
こちらの患者さんは前歯が違和感があり、右上2の上に出来物(Sinus tract )ができたと腫れてこられた方です。他Drから右上2の治療を依頼されました。
Sinus tractから実際GPを入れてレントゲンを取ると、右上2が原因のように見えますが、他の診査を併用した結果、実際この方の腫れた原因歯は隣の右上1の可能性が高いことがわかりました。
患者さんに診査診断の結果を伝え、出来物ができてる原因の歯はご紹介いただいた歯ではなく、隣の歯が原因だと強く思われる旨を説明し、このケースにおいてはより詳しく診断させていただくためにCTを撮影させていただきました。
撮影の結果2歯にわたる大きな病変が認められました。
右上1の根管治療後、腫れもなくなり違和感も消失し、1年後にはCTで病変も治癒も確認できました。
ペンエンドを受講する前であれば、レントゲンやその歯のみの診査で右上2を誤って治療していたと思います。
しっかりとした根管治療には、まずしっかりとした診査診断が大事と認識させてもらった症例です。
このページを読まれている方にメッセージ等ございましたらお願い致します。
ペンエンドで学んだ歯内療法は、自分の治療を180度変えてくれました。
根の病気で困ってる患者さんがいらっしゃいましたらその歯ができるだけ残るよう一生懸命治療させていただければと思います。
山田先生、本日はありがとうございました!