石灰化とは?
神経の部屋(歯髄腔)や神経の管(根管)が狭くなり、実際には存在しているのにレントゲン検査などでその存在が確認できない状態を一般的に石灰化と言います。
石灰化の原因は?
全ての歯の50%に石灰化が存在すると言われており、加齢変化や歯をぶつけたなど外傷によるもの、虫歯や治療後の刺激など様々な原因が考えられますが、現時点で詳細は明らかになっていません。
治療はできるのか?
石灰化によってレントゲンで、根管が見えないような症例でも、治療は可能です。
また、患者さんに提示する治療の選択肢は基本的に変わりません。
石灰化した根管が、通常我々が使用する治療器具の最も細い先端サイズ0.06ミリより細い場合は、根っこの先まで穿通することが非常に困難となります。しかしながら、高度に石灰化して穿通できない場合でも、コンセプトを守り器具が到達できるところまで治療を行うことにより治癒する可能性があることもわかっています。
石灰化していない場合と同様、追加で外科的歯内療法が必要になる場合や、稀ではありますが、最初から外科的歯内療法で対応することもあります。
石灰化が疑われた場合、必要な検査やその後の意思決定がとても重要になりますので、歯内療法専門医に一度相談されてみてはいかがでしょうか。
症例1:穿通できなくても治癒した症例
痛みを主訴で来院。
症例2;根管治療+歯根端切除術で対応した症例。
症例提供 髙橋 玄先生
執筆者:ウィリアムズ 慶子(PESCJ10期)
参考文献・書籍Pathways of the pulp 11th edition