2014年アメリカ歯内療法学会に参加してきました

ECJの渡邉です。今回は我々がどのように根の治療(歯内療法)について研鑽しているかご紹介致します。

今回、2014年4/30~5/3の日程でアメリカ合衆国の首都ワシントンD.C.にて毎年行われているAAE学術大会に参加してきました。
AAEとはAmerican Association of Endodontists、つまりアメリカ歯内療法学会のことで、私は昨年のハワイで開催された大会に続いて2回目の参加でした。
ワシントンD.C.はご存知のとおりアメリカの首都であり、アメリカの象徴的な場所であるホワイトハウスやとても大きく色々なカテゴリーに分かれたスミソニアン博物館が印象的な街です。

アメリカでは、専門医制度というものがあり、歯科でも数種類の専門分野が確立されています。
私はアメリカに住んだことはないので詳細はわかりませんが、州により法律やルールが異なりますが、一般的にGP(General Practitioner)と呼ばれるいわゆるかかりつけ歯科医と、Specialistと呼ばれる専門医が連携してチーム医療を行い一人の患者さんに対してより良い治療をしていくことが広く認知されています。

根の治療(歯内療法)は歯の内部を領域とする治療科目で治療が難しい分野なため、アメリカでは歯内療法専門医(Endodontist)が一般の患者さんにも認知されています。
そのため、今回のような根の治療(歯内療法)の分野だけの学術大会ですが、かなり大規模な学術大会や治療器具、器材の大会が開催さている状況なのです。
歯科医療、とりわけ根の治療(歯内療法)に関する最新の情報は日本よりもアメリカやヨーロッパから発信されることが多く、正しい知識が日本で普及するにはかなりの時間がかかることも珍しくありません。
そこで私たちは根の治療(歯内療法)の最新でかつ様々な研究、検証をされているより確実な情報を得る為にAAE(アメリカ歯内療法学会)に所属し日々研鑽しています。そして、今回のような大きなイベントが開催された際には、最新の学術情報や材料などを学ぶ為に渡米する、ということになります。

私は今回「歯髄の再生療法」を興味を持って講演を聞いてきました。これはいわゆる歯の神経が死んでしまった、という状態のものが生き返ることを目的とした治療法の研究についてのことで、まだまだ不透明な分野だとは思いますが、研究が進み再生することが可能になれば素晴らしい治療であることは間違いないと思われ今後の進歩に期待したいところです。
そして、最も重要なことはやはり過去の科学的な研究や根拠を基に基本的に守らなくてはならないルールは不変であり、日々の臨床でルールを守りながら最新の技術を適切に行うことが重要だ、ということを再認識致しました。

今回アメリカでの学術大会で最新の情報を聞く機会を頂き、これからも正しい根の治療(歯内療法)について情報発信をして行きたいと思いますので今後とも引き続きよろしくお願い申し上げます。

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執筆者 渡邉 征男 (PESCJ4期)